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開業 虎の巻

開業への計画性を高める資金調達、収支計画の極意

独立開業を検討する際に、開業資金にまつわる不安を抱くドクターは少なくない。

既に住宅ローンを組んでいるなかで開業資金を調達することは可能なのか。

公的金融機関や民間金融機関の融資制度を利用して開業資金を調達できたとしても果たして返済を続けていけるのかなど、今回は、開業にまつわる資金面でのさまざまな疑問にお答えする。

住宅ローンがある場合の資金調達は?

独立開業を検討するドクターの多くは住宅購入や子供の教育費などプライベートでの支出が多いため、住宅ローンや車のローンを抱えた上でさらに開業資金の融資を受けることはできるのだろうかといった不安の声をよく耳にする。

さらに、開業後、はたしてローンを2つも抱え生活が成り立つのか、返済が滞りなくできるのかと、お金に関わる不安は開業を考えるドクターにとって大きな壁となっている場合が多々ある。

実際、住宅ローンなどの生活に密接したローンがすでに組まれた状態であっても、明確な返済計画のもとに公的金融機関や民間金融機関から資金を調達し、開業を実現させているケースは数多くある。

融資の際にローンの有無は審査の対象にはなるが、やはり、重要な点は開業後、返済ができるかどうかという点なのである。

資金調達をはじめとするさまざまなお金の不安を取り去るには、まず成功への具体的な計画を明確にする必要があり、それにはやはり、綿密な事業計画が必要になってくる。

事業計画は資金調達のために練るのではなく、開業後も順調にクリニック運営を行なうための軸になるものとしてとらえたい。

そして事業計画の要となるのが、開業地であることも忘れてはならない。

大切なのは、患者の来院する可能性が高い場所であること。それは収益の見込める立地での開業を意味し、ローン返済の鍵を握ることになる。

そのため住民層を含めた土地の環境、将来性、競合の状態など、開業地に関しては最新情報を知り、開業に適する優良物件かどうかの的確な判断を行うことが重要といえるだろう。

医療機器導入にリースの有効活用を

医療機器は、診療科目や設備へのこだわり、手術の実施などドクターの診療方針により異なるが、開業に必要な資金の中で50%を超えるケースもあるなど、資金調達面での悩みどころとなる場合も少なくない。

そこで、医療機器を購入する以外に、長期にわたり機器や設備を賃貸するリースという方法があることを覚えておきたい。

リースとは、リース会社がメーカーから医療機器を購入し、ドクターに一定期間賃貸するシステムをいう。

多くの場合、リースの期間は5年ほどで、リース期間終了後にそれまでより安価な金額で再リースをすることも可能だ。

リース会社は、銀行系、商社系、メーカー系、独立系などさまざまな形態の会社がありリースの条件は異なるので、各社の賃貸条件を比較検討することをおすすめする。

医療機器をリースにすることによるメリットは、購入するよりも借入金が抑えられるので、融資の際の選択肢が広がるという点であろう。

物件は、リース会社の所有となるので、減価償却や固定資産税の申告納付、損保保険料の支払いはリース会社が行う。リース料は全額経費として損金処理できるなど帳簿・経理上の利点も見逃せない。

運営を確実にするキャッシュフロー

クリニックの運営をさらに確実なものにするには、この事業計画をより具体化し、詳細を明らかにしたキャッシュフローを把握しておきたい。

キャッシュフローとは、簡単にいうと“お金の流れ”である。収入から医薬品の購入や経費の支払い、税金、借入金の返済などの支出を差し引き、現金残高はいくらであるかといった月々のお金の動き(=資金繰り)を理解することは、事業計画の見直しを行なう上でもとても重要だ。

とくにクリニックの経営では、収入の大部分を占める保険収入が診療の2ヵ月後になるなど、クリニックならではのお金のやり繰りが経営を左右するので、キャッシュフローで再確認することが望ましいだろう。

順調にクリニック運営を軌道にのせた例を参考にすると、キャッシュフローの詳細が理解できる。

首都圏近郊の駅前に建つ医療ビルで35坪のクリニックを開業したAドクターの場合、600万円の自己資金以外は公的金融機関と民間金融機関からの無担保・無保証人ローンを利用し、2,900万円を借入した。

別表にあるように、保険収入が2ヵ月遅れで入るため、開業当初の現金残高は医業収入に比例して増加してはいない。

可処分所得(手取収入)は開業1ヵ月めから順調に増えているが、現金残高に増加が見られるのは9ヵ月めから。

ただし、12ヵ月めに年末調整(所得税・住民税)による税金の支払いがあるため再び残高は減少している。

日々の収入がアップしても、現金残高がマイナスになると経営に大きな支障をきたすことになるという点が重要ポイントだ。

キャッシュフローでは、こうした収支の流れから開業後の生活を見通すことができるので、お金に関わる不安解消にもつなげていけるであろう。

開業を成功させる経験豊富な専門家

キャッシュフローの土台となる事業計書は、借入金の返済プランとして金融機関に提出する必要もあり、開業を実現する上での重要性は高い。

だからこそ、開業にまつわる不安の多くは、事業計画書によって払拭されるケースが多いといえる。

ただし、事業計画の立案にはコツがある。例えば、患者数の算出を誤ると売上は大きく変わり、事業の全体像が狂うことになる。

正確な事業計画書を作成するためには、何より緻密な診療圏調査が大切だ。

多くのドクターにとって、開業は初めての経験のはずだ。独断専行で進めるのではなく、実績やノウハウのある専門家とともに開業を考えていくことが賢明だといえるのではないだろうか。


収支計画表

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